ProtoA
2026年9月5日 07:52

台風でも走り切った、宮古島のVR体験イベント

台風でも走り切った、宮古島のVR体験イベント

先日、サンエー宮古島シティさんの特設会場をお借りして、子どもたちにVRとデジタル体験をしてもらうイベントを開催しました。

「VRアート」と「デジタル水族館」という、ふたつの体験ブースを用意した2日間の企画です。VRアートは、ゴーグルをつけて空間に絵を描く体験。デジタル水族館は、子どもたちが紙に描いた魚の絵をAIで立体化し、大きなモニターの中を泳がせる体験です。この手のイベントは、ProtoA共同代表のアヤカが1〜2ヶ月に1度のペースで企画しているもので、今回で数回目の開催となりました。

今回は、いつも以上に印象に残る2日間になりました。理由は、台風です。

開催直前、台風が宮古島に接近

イベントの数日前から、宮古島の近くにあった熱帯低気圧が急速に発達し、台風20号となって先島諸島に近づいてきました。ニュースでは1時間に50ミリを超える激しい雨や、土砂災害・低い土地の浸水への警戒が呼びかけられるほどの荒れた天気予報。屋外への外出そのものが危険とされるレベルです。

正直なところ、「今回は中止にした方がいいのでは」という声も出ていました。ポスターも刷ってしまっている、島高生のボランティアにもすでにシフトをお願いしている、サンエーさんとも会場の調整を済ませている——それでも、天候には勝てません。結局、予定していた2日間のうち1日目(土曜日)は開催を見送ることに決めました。

こういう判断は、実はいつも簡単ではありません。準備してきたものを一度止める決断は、進める決断より勇気がいるものです。それでも、参加してくれる子どもたちやスタッフの安全が最優先。無理に開催して何かあっては元も子もありません。

幸い、2日目(日曜日)には天候が落ち着き、予定通り開催することができました。1日分が飛んだ分、2日目にはより多くの方に来ていただき、なんとかイベントを走り切ることができました。

会場に着いたら、モニターが動かない

台風だけでも十分な試練でしたが、もうひとつアクシデントが重なりました。

デジタル水族館の体験に欠かせない大型モニターを、会場のサンエーさんまで運ぶ際、悪天候の中での搬入作業で水が入り込んでしまい、故障してしまったのです。

現場に着いてから電源を入れても、画面が映らない。スタッフ一同、その場で少し固まりました。修理している時間はありません。開場までにできることは限られています。

最終的には、急遽ノートパソコンをモニター代わりに使うことで対応しました。画面は小さくなってしまいましたが、子どもたちが描いた魚が泳ぐ様子は、ちゃんと見せることができました。「なければないなりに、今あるものでなんとかする」——現場ではこうした判断の連続です。1日目(土曜日)はこの状態のまま最後まで乗り切ることになりました。

会場を支えてくれた、島の高校生ボランティアたち

今回のイベントも、地元の高校生ボランティアの協力なしには成り立ちませんでした。

受付での案内、整理券の受け渡し、VRブースでのお子さんのサポートなど、当日の現場は多くの手が必要です。彼ら・彼女らは、台風の影響で慌ただしくなったスケジュールにも柔軟に対応してくれ、朝早くからの準備や当日の運営を一緒に支えてくれました。

宮古島には、こうして地域のイベントに前向きに関わってくれる高校生が確かにいます。彼らにとっても、普段の学校生活では触れる機会の少ないVRやAIといった技術に、身近な立場から関わる貴重な経験になったのではないかと思います。

「1日だけのイベント」の裏側にある、長い準備期間

イベント自体は1日で完結するものですが、実際にはその何倍もの準備期間がかかっています。

会場のレイアウト決め、ポスターのデザインと印刷、受付シートや整理券の準備、当日の役割分担とタイムテーブルの作成、機材の動作確認……。こうした準備を、開催の数日前から少しずつ積み重ねていきます。当日は朝の搬入から夕方の片付けまで、気の抜けない時間が続きます。

今回は、そこに台風対応と機材トラブルが重なったこともあり、終わった頃にはメンバー全員がへとへとになっていました。それでも、会場に来てくれた子どもたちが夢中になってVRゴーグルをのぞき込む姿や、自分の描いた魚がモニターの中を泳ぐのを見て喜ぶ姿を見ると、「またやろう」という気持ちになります。

振り返って思うこと

台風にも機材トラブルにも見舞われた今回のイベントでしたが、それでも形にできたのは、島高生をはじめ関わってくださった皆さん、そして会場を貸してくださったサンエー宮古島シティさんのご協力があってこそです。

予定通りにいかないことは、地域でイベントを続けていく上で、これからも起こり得ることだと思います。その都度、無理をせず、今あるものでできる形を探りながら進めていく——今回の2日間は、そのことを改めて実感する機会になりました。

ProtoAでは、こうした地域とのつながりを大切にしながら、これからも子どもたちがテクノロジーに触れる機会を作っていきます。

サンエーの皆様、高校生の皆様ありがとうございました!