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製麺工程のデータ化による属人化解消

製麺工程のデータ化による属人化解消

課題

株式会社久松製麺所は、宮古そばの麺を製造する創業50年以上の製麺所です。麺づくりでは「粉に対してどれだけ水を入れるか(加水量)」が品質を大きく左右しますが、その調整は長年、創業社長と2代目・3代目社長の経験と感覚によって行われていました。

そのため
・加水量の調整が属人化している
・限られた職人しか麺を製造できない
・記録は手書きメモ程度で、データとして蓄積されていない

といった課題がありました。

「職人の感覚をデータとして残し、誰でも同じ品質の麺を作れるようにしたい」という相談を受け、スモールスタートでのデジタル化に取り組みました。

解決策

大きなシステム導入ではなく、GAS(Google Apps Script)とAppSheetを使い、現場で使えるシンプルなミニアプリを構築しました。

まず、SwitchBotの温湿度計を設置し、製麺所内の温度と湿度を自動で取得。APIを利用してGASからGoogleスプレッドシートへ定期的に記録される仕組みを作りました。これにより、環境データが自動的に蓄積されるようになります。

次に、AppSheetで製麺作業の記録アプリを作成しました。職人がタブレットから以下の項目を入力します。

・麺の種類
・粉の量
・実際の加水量

入力されたデータはGoogleスプレッドシートに蓄積され、温湿度データと紐づいて記録されます。

※数値は全てダミーです

その日の加水量を入力する
データが蓄積される

さらに、一定期間データが蓄積された後、GASで「推奨加水量」を算出する仕組みを実装しました。
現在の温度・湿度に近い過去データを抽出し、その平均値を「本日の推奨加水量」としてアプリに表示します。

過去の記録を元に、推奨加水量を算出

この方法により、職人の経験値をそのままデータとして活用できる仕組みが完成しました。

成果

アプリ導入後、これまで職人の頭の中にしかなかった「加水量の判断基準」がデータとして可視化されました。

その結果

・温湿度に応じた加水量の目安が分かるようになった
・職人以外の従業員でも根拠を持って製麺作業ができるようになった
・製麺データが蓄積され、今後の分析や改善に活用できるようになった

また、生産量の記録も同時に残るため、将来的には生産予測や季節ごとの傾向分析などにも活用できる可能性があります

「実際に使ってみると、推奨加水量の精度は良いと感じました。入力も簡単なので現場でもすぐに使い慣れることができました。今まで職人の感覚に頼っていた部分がデータとして見えるようになり、他のスタッフでも麺づくりに関われるようになったのは大きな変化です。」

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